セメントと循環型社会

セメントは硬くて冷たい工業製品、環境に優しくないのでは?と思われることもありますが、
実は「循環型社会」構築に大きな役割を担っている素材です。

コンクリートの原料であるセメントは、日々大量に発生する都市ごみ等の焼却残渣や、火力発電所からの
産廃物を大量に引き受け、それらを有効活用しながら生産される循環型の原材料です。

現在でも1トンのセメントを製造するのに原燃料475㎏もの廃棄物が活用されており、
廃棄物の最終処分場の延命に大きな役割を果たしています。
セメント産業は本来エネルギー多消費産業であるため、より一層の省エネルギー化を進めるため
常に最先端の技術開発が行われています。

また、セメントは焼成工程で二酸化炭素を発生させますが、コンクリート製品(アルカリ性)となった時には、
大気中の二酸化炭素を吸収して中性化が進んでいくという特性があります。
この特性を数値化し、規格化していきたいというのがセメント業界の世界的な流れになっています。

もう一つの特性が、不燃・無機物であるということです。
セメントに砂や砂利を混ぜて作るコンクリート製品は、不燃・無機物なのでリサイクルしやすく、
廃棄の際はコンクリートガラとしてリサイクル材になりえます。 

セメントは日本国内から出るリサイクル材料や国産の石灰石など、国内産の原料から製造されています。
私たちの暮ら・安全・ライフラインを支えながら、リサイクル促進からの天然資源の保護、輸送エネルギーや
二酸化炭素排出の削減を実践しながら、常に技術開発を進め持続可能な循環型社会に貢献しています。